はじめまして。
東京工業大学 小田・野田研究室 修士1年の多賀です。
昨年度から ORIGAMI Projectの構造設計担当として参加しています。
今回は、太陽電池セルのアレイ化作業見学のため5/11に日本大学の宮崎・山﨑研究室を、小田・野田研 中西先生と多賀で訪問させていただきましたので、その報告をしようと思います。
今回の見学でアレイ化作業のノウハウを吸収してきました。その工程を説明します。
アレイ化とは、太陽電池セル2枚を接続し、出力用の電極を取り付ける工程のことをいいます。セルを衛星で使用するためには、このアレイ化の作業と、さらに衛星構体に貼り付ける作業が必要になってきます。
早速アレイ化完了後の写真を載せます。説明のために勝手に名前をつけました。
使用材料・機材は以下の通り。
・太陽電池セル 2枚
・Sunhayato クイックポジ感光基板 NZ-M3K 1枚
・導線
・はんだ(宇宙用)
・フラックス
・はんだごて(こて先C型)
・リフロー用ヒーター
・カプトンテープ
太陽電池セルは、裏面全面が正極、3本出てる足が負極となっています。また、負極と反対側に出ている一本足はバイパスダイオードです。バイパスダイオードとは、アレイ化したセルのうち、1枚が破損や光量不足で発電量が落ちたときに、そのセルに電流が流れないようにするためのダイオードのことです。
—作業開始—
①クイックポジ感光基板の絶縁体(緑色)をアセトン+キムワイプでめっちゃきれいに拭き取る
ここで絶縁体を除去しきれていないと通電不良の原因となります。
②クイックポジ感光基板をカッターでL字に切り出す
これがL字プラス、L字マイナスとなります。マイナスとプラスでLの方向が異なるので気を付けましょう。
③L字片面に、フラックスを塗ってからはんだを膜状に乗せる
(L字プラス、L字マイナス2枚とも)
作業台にカプトンテープで仮固定して作業するとやりやすいです。はんだ後、ショートを防ぐために側面から飛び出したささくれ(っぽいもの)を取り除きます。
④セルBのマイナス電極に予備はんだを乗せる
⑤セルBへ、L字マイナスをはんだ付けする(フラックスを忘れずに)
セルとL字の隙間2mm程度。
セルBの作業は、ここでひと段落です。
⑥セルAのバイパスダイオード側裏面に予備はんだを置いていく
⑦セルAと、L字プラスをはんだ付けする。
リフロー用ヒーターの上で、ピンセットで優しく押さえつけながら熱してはんだ付けします。セルを割らないように力加減に注意。
⑧セルAと、セルBをはんだ付けする
お互いの端子を正極にはんだ付けします。予備はんだの場所と、電極の付け方は下の図参照
あとは電極に出力用導線2本をそれぞれはんだ付けすればアレイ化完了です!!
—作業終了—
アレイ化完了後には、ソーラーシミュレータ(軌道上の太陽光と同じレベルの光を照射するランプ)を用いて発電の確認を行いました。
また、試験設備やクリーンルームなども見させていただきました。
日大宮崎・山﨑研究室の皆さま、見学させていただきありがとうございました!!