プロジェクトの内容が決まっていく過程は,実際は目的~方法とかあまりきちんと分類せずに議論して,いろんなレベルの事柄が決まっていきますよね.でも,できるだけ迅速に,その決まった事柄を「目的」はこうです,それを実現するためにこれこれをやります,というふうにきちんと整理して文書化することがとても重要だと思うのです.文書化することで,
- 自分の頭が整理できる
- チーム内で合意が取れる
- チーム外からもフィードバック・評価が得られる
- それぞれの物事が決まった過程を記録に残し,追跡可能性を保つ
という良いことがあるはず,,,ということで,本プロジェクトでもきちんと記録を残したいと思う次第です.
それで,ORIGAMI Projectで開発を開始した超小型衛星(CubeSat)「OrigamiSat-1」の場合も,その内容は,先進的な膜展開機構を宇宙実証しようとか,そのために国際宇宙ステーションからの放出の機会を利用しようとか,実際には目的から方法のレベルまで,いろんなところから少しずつ決まっているわけですが,まずは現状考えている「目的」を一度まとめて書き出してみます.
「目的」はプロジェクトの一番の上位概念とでもいうところで,例えばこれからいろんな辛いことが起きて,「いったい自分たちはなんでこんなことをやっているんだっけ?」と心が折れそうになったときに,心の拠り所になるようなものであって欲しい….以下の現状案はそういうものになっているかどうか,100%自信はないですが.
OrigamiSat-1の目的 (Feb. 5/ 2015案)
- To: 宇宙科学・利用に貢献する目的で,宇宙実証スキルを有する先進的展開構造物の研究開発コミュニティを形成するために,
- By: 若手が中心となり,ベテランと一緒に「深く厳しい議論」を実践することを通し,
- Using: パイロットプロジェクトとして,ISS放出の3U CubeSatによる膜展開ミッションを実施する.
上の目的は,「To, By, Using」というフォーマットで書いてみました.でも,とにかく「文書化し,共有し,リバイズを繰り返す」ことをきちんとやることに意味があるはず…,ですので,書き方にはこだわりすぎなくても良いのかなと.書き方のテンプレートを知っていると,最初に手を付けるときのハードルが低くなる,という意味では良いかも知れません.
今後ともきちんと「本当にこの目的でよいか?」,折に触れて見直していきたいと思います.
坂本啓